メダカの稚魚の育て方を調べたい方、悩んでいる方が多いようですので、わかりやすくまとめました。
めだかの飼育を10年以上続けてきた中で、わかったこと、気をつけたい点を紹介します。
![今年生まれのメダカの稚魚たち](https://minibiotope.com/wordpress/wp-content/uploads/2017/07/medaka170709-1.jpg)
簡単にいうと、ポイントは二つです。
- 容器を稚魚専用にすること
- 稚魚用のエサをあげること
これだけ気を配れば基本的には大丈夫です。
とはいっても具体的にはどうすればいいの?
そのポイントを詳しく説明していきますね。
採卵から孵化まで
メダカは4月~9月頃まで産卵します。
親メダカのお腹に卵がぶら下がっている様子が見られますので、産卵するとすぐにわかります。
![卵をつけた楊貴妃メダカ](https://minibiotope.com/wordpress/wp-content/uploads/2016/06/sodatekata1.jpg)
お尻に卵をつけた楊貴妃メダカ
もっとも簡単な採卵方法は、ホテイ草を入れることです。
ホテイ草の根っこにメダカは勝手に卵を産みつけてくれるからです。
![ホテイ草についたメダカの卵](https://minibiotope.com/wordpress/wp-content/uploads/2016/06/sodatekata2.jpg)
ホテイ草に産みつけられたメダカの卵
ホテイ草がない場合は、藻やアオミドロなど適当な場所に産みつけられていますので、回収してアマゾンフロッグピットの根にくっつけています。
普通に沈めておいても恐らく問題ありませんが、自然界のメダカが日光当たりやすい水面近くに産みつけるので同じようにしています。
卵を採卵したら、孵化するまではバケツなどに水道水を入れて、卵がかえるまで待ちましょう。卵はすべてが孵化するわけではありません。中には無精卵もありますので、あまり気にしないことです。
赤ちゃんメダカから針子
![メダカの稚魚(針子)](https://minibiotope.com/wordpress/wp-content/uploads/2016/06/medaka160612-4.jpg)
メダカの稚魚です。生まれたばかりは針子と呼ばれます。
![メダカの赤ちゃん](https://minibiotope.com/wordpress/wp-content/uploads/2016/06/sodatekata3.jpg)
生まれたばかりのメダカは、お腹に栄養袋がついているので、2,3日は餌はいりません。生まれたばかりの小さな身体ですが元気に泳ぐ姿が見られるでしょう。
![メダカの稚魚たち](https://minibiotope.com/wordpress/wp-content/uploads/2016/06/medaka160612-5.jpg)
1週間後、稚魚の数も増えてきました。
ところがです。
めだかの稚魚が孵化して喜んでいたのに、3日ぐらいするといなくなる稚魚が出てきます。
いったいどうしたのでしょう!?
答えは餓死です。
悲しいことですが、針子のような小さい子は餌を食べられるかどうかで生存率が大きく変わります。
自然界のプランクトンが豊富な場所であれば、生存率は高くなりますが、人間による飼育環境ではエサを与えることが非常に重要です。それも稚魚の口でも食べられるエサが必要です。
・基本的にはプランクトン的な微生物や藻を食べていますが、ちゃんとした稚魚用のエサを与えた方が生存率は高くなります。
特に稚魚がなかなか育たない、全滅した!と嘆いている方は、まずエサ不足が原因です。
私もメダカ飼育初心者のとき、稚魚が100匹以上生まれて喜んでいたのに、みるみる数が減っていき育ったのは10匹程度ということもありました。その時は理由もわからず、ただ悲しんでいました。
しかし、最近では稚魚専用のエサが売られています。試しに買ってみたところ、効果覿面!稚魚の生存率は大幅にアップしました。
![稚魚用の餌を食べるメダカの稚魚](https://minibiotope.com/wordpress/wp-content/uploads/2016/06/sodatekata4.jpg)
稚魚用の餌を食べるメダカの稚魚たち
私はいつもキョーリンのちびっこメダカ キンギョのエサをあげています。目の細かい粉末上の餌で水面にふわーと広がって浮かぶので稚魚たちも食べやすそうです。小さな子たちもツンツンしていますし、すこし大きくなった個体はすばやく必死で食べています。
昔は稚魚用の餌がなかったので、親用のエサをすりつぶしてあげていました。もちろんそれでも悪くないですが、面倒な方はこちらのほうが楽です。
また、粒が粗くて食べられず水質が悪化することもなく、稚魚に必要な栄養がたっぷりなので、どう考えても稚魚用の餌がおすすめです。
孵化したばかりの赤ちゃんメダカから針子で注意する点
・稚魚専用の容器を新しく用意する。
バケツや水槽などでOKです。ポイントはメダカの稚魚以外の生き物がいないこと。新しく用意すると天敵となる生き物がいない確率が高いです。エアレーション(ブクブク)は稚魚の体力を奪うので、入れてはいけません。
また、アナカリスやカボンバといった水草を1本でもいいので入れておいて上げましょう。光合成による酸素の供給だったり、水草についた微生物の繁殖により自然に近い環境になります。
・メダカの稚魚の天敵
最大の天敵は親メダカです。残念ながらメダカは口に入るものは何でも食べてみるので、稚魚も例外ではありません(食べられないと吐き出す)。
小さいので他の生物にも捕食されます。他の魚類、ヤゴ、ヒドラ、ボウフラなど。ボウフラは親メダカの好物ですが、針子は逆に食べられるという自然の厳しさ・・・。定期的に他の生物が入っていないかチェックしましょう。
うちは稚魚用に使っている睡蓮鉢にヒドラが発生してしまったので、バケツで飼育しています。
・稚魚専用のエサをあげる
おなかの栄養袋(ヨークサック)がなくなってから、2週間ぐらいまでがもっとも死亡率が高いです。自然界でもそうですが、この時期にエサを食べられない子がどんどん淘汰されていきます。そして、強い子だけが大人になっていくのです。
メダカを増やしたい人、稚魚が育たないと困っている人は、稚魚用のエサをあげるのが一番です。
![メダカの稚魚たち生後2週間](https://minibiotope.com/wordpress/wp-content/uploads/2016/06/medaka160612-6.jpg)
2週間後、稚魚の数も増えてきました。水もいい塩梅に汚れてきています。少しくらいは掃除も必要となります。
・水換えは注意。表面の油膜やゴミを取ってあげた方がいいけど、稚魚も誤って汲み出してしまわないように。
稚魚の大きさにばらつきが出てきたら
![大小固体差が出てきためだかの稚魚たち](https://minibiotope.com/wordpress/wp-content/uploads/2016/06/medaka160612-7.jpg)
よく見ると、メダカの稚魚たちにも大小の固体差が出てきています。最初のころに生まれた稚魚と最近生まれたての針子です。
![メダカの稚魚のアップ](https://minibiotope.com/wordpress/wp-content/uploads/2016/06/medaka160612-8.jpg)
拡大してみると、結構な大きさの違いです。今度は稚魚同士の隔離が必要になってきます。大きさが揃うようにするのがベター。
理想は1~2週ごとに新しいバケツや容器を用意して、針子と稚魚に大きさが出てこないようにすることです。でも、そうしようとすると、場所とバケツが大量に必要です・・・。
そこでできることといえば、
・とにかく逃げられるように水草、浮き草、ウィローモスなどの隠れ家を増やす。
・お腹が減らないようにエサをあげる。
親メダカと同居させるタイミング
さて、メダカの稚魚の飼育もいよいよ終盤です。
いよいよ親メダカである成魚と合流して、同居するときです。
![メダカの稚魚のサイズ測定](https://minibiotope.com/wordpress/wp-content/uploads/2017/07/medaka170709-2.jpg)
・1.5cmくらいになった稚魚は思い切って親メダカと同居させる。
これくらいのサイズになると、親メダカの口に入りませんし、泳ぎも速いので追い回されても逃げることができます。この辺の見極めも大事ですね。
![親メダカと混泳する子めだか](https://minibiotope.com/wordpress/wp-content/uploads/2016/07/medaka160706-7.jpg)
親メダカと混泳する楊貴妃メダカの幼魚
親メダカと一緒にすると、しばらくは追いかけ回されることもありますが、すぐに慣れるでしょう。
![黒メダカの成魚と稚魚の合流](https://minibiotope.com/wordpress/wp-content/uploads/2017/07/medaka170709-8.jpg)
クロメダカも同居です。子メダカといえども泳ぐスピードは速いので、追いかけられても平気です。ちゃんと水草の隙間などに隠れ家を見つけて避難しています。
繰り返しとなりますが、ポイントは二つ。
- 容器を稚魚専用にすること
- 稚魚用のエサをあげること
これを気にすれば、稚魚の大繁殖も不可能ではありません。
しかし、ベランダなどの限られた場所で飼育しているなら、容器も無限に増やせるわけではなし、あまり増えすぎても大変という現実的な問題もあります。
採卵も必死になってやらずにできる範囲に控えるなどして、気楽にやっていくといいですね。